マイクロフィルムのデジタル化

1994年、国内で初めて高速マイクロフィルムスキャナFiREX4000を導入し、マイクロフィルムのデジタル化を行いました。当時はまだTIFFG4の画像を表示するイメージビュアさえ一般的ではありませんでした。それ以来、数千万コマのマイクロフィルムをコンバージョンして参りました。


私たちにとってもっとも思い出深い事業は、国立国会図書館所蔵「昭和前期刊行図書メディア変換プロジェクト」の電子メディアセンターの運営に携わったことです。富士写真フイルム(現・富士フイルム)株式会社様より委託され、約1,000万コマのマイクロフィルムのコンバージョンと出版用マスターCDを作成しました。私たちのコンバージョンについての経験は極めて多方面に及びます。


マイクロフィルムは、保存性、法的許容性などで優れた特長を持っています。そして、デジタルイメージにして活用すれば、自由で高速な利用が実現され、事務や業務の効率化とともにデータの公開及び共有化を図ることが出来るのです。


FiREX4000(国内第一号)



■マイクロフィルムスキャナの仕組み

マイクロフィルムを装てんし、スキャンを開始するとマイクロフィルムは一定のスピードでスプールに巻き取られながら走行します。この時、レンズを介して拡大されたマイクロフィルム像はラインCCDセンサーで読み取られコントロールPCに伝送されます。スキャナ制御ソフトウエアは設定されたパラメータによってエンハンス等の画像処理を行い、1コマ単位に連番のファイル名を自動で付与し、ハードディスクに保存します。


35mmロールフィルム600コマのマイクロフィルム1巻をA3/400dpi相当でスキャンした時、約24分で処理を完了します。

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4100ScanStation

マイクロフィルムは、JIS規格でフィルム濃度レンジが定められていますが、最適な画像を得るためには、1巻単位での濃度変化やマイクロ画像のコントラストに合わせたパラメータ設定とマイクロ画像の種類、状態に合わせた最適なエンハンス設定をすることが重要です。設定が合理的でなかった場合は充分な画質を得ることはできません。したがってスキャン前のマイクロフィルムの品質確認検査が重要です。


エンハンス:コントラスト・輪郭強調・ゴミ落し・しきい値等の組合せで設定

フィルム順をチェック 濃度やキズ品質を検査
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■スキャン可能なマイクロフィルムの形態

  • ロールフィルム(16/35mm) オープンリール/カートッリジタイプ

  • アパチュアカード

  • マイクロフィッシュ(60/98モード)

  • COMフィッシュフィルム

  • カラーマイクロ

  • カセットファイル


16mmカートリッジ 35mmオープンリール アパチュアカード マイクロフィッシュ
16mmカートリッジ 35mmオープンリール アパチュアカード マイクロフィッシュ


■ポジフィルムのスキャン

マイクロフィルムスキャナーは、ネガ/ポジどちらの形態でもスキャンが可能ですが、私たちは、可能な限りネガフィルムからデジタル化することをお勧めしています。


なぜなら、ポジフィルムはほとんどの部分が透明なために、スリ傷や付着した微小なゴミなどが忠実にスキャニングされ再現されます。よって情報量が多くなりファイル容量が大きくなってしまいます。一方、ネガフィルムは、マイクロ画像の文字や線の部分だけが透明なため(ほとんどは黒い状態)、不必要なキズやゴミは再現されません。よって、ファイル容量が大きくなりません。また、イメージビュアは、容易に拡大表示してイメージを見ることが出来ますので、ポジフィルムから作成した画像が見た目にも汚いものになってしまいます。


このような場合は、ポジフィルムを反転複製しネガ状態にしてからスキャンするほうが得策です。ポジフィルムからのデジタル化にあたっては、必ず、サンプルを作成して画質の評価を行うことをお勧め致します。


■スキャン可能なサイズ

ScanStationは、7.5倍〜50倍の拡大率を持っています。35mmマイクロフィルムの場合、×36でA0/400dpi相当のイメージを作成することが可能です。


■脳波や探査記録のような長尺モノを撮影したマイクロフィルムのスキャン

一般のイメージビュアで開ける画像サイズは3万ピクセル以下ですので限りなく長く大きなイメージファイルを作成することは合理的ではありません。、このようなケースでは、分割して画像を作成します。もちろん、画像の端にはオーバーラップを設けます。


■スキャン可能なイメージの種類
TIFF、CALS(モノクロ2値)
JPEG(モノクロ256階調)
(上記ファイルでスキャン後、PDF等の各種画像フォーマットに変換します。)
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■原寸サイズでのスキャンや8UP画像の処理

マイクロフィルムのバッチスキャン時に、正確な原寸サイズ合わせを行うことは困難です。このような時は、スキャニングした後のイメージデータに対してスケーリング処理を施します。


弊社のサイズ合わせツールは50.00〜200.00%までのスケーリングと必用な範囲の切出しを同時に行うことが可能です。


2枚並べや4UPや8UPで撮影されたマイクロイメージをマイクロフィルムのバッチスキャン時に資料1枚ずつに切出すことは出来ません。この場合も、処理後のイメージに対して切出し処理を行いもとの資料のページ順にファイルを作成します。


弊社の切出しツールは、指定した範囲を2分割や4分割処理することがが可能です。

スキャンしたイメージ 2枚に切出したイメージ
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■グレースケールでスキャン

古文書や写真を含んだ資料、青焼き図面などディティールを求められるマイクロ画像は、256階調のグレースケールでスキャンすることが出来ます。

4100ScanStationを使用して作成したサンプル
2値 256階調グレースケール

グレースケールは、確かに再現性に優れていますが、一方、ファイルサイズが非常に大きくなります。上記の例ですと、A3/400dpi相当の場合、2値がTIFFG4圧縮で304Kバイト、256階調はJPEG圧縮で5,378Kバイトのファイル容量となります。

いずれのビット数でデジタル化するのか、事前に充分検討することが重要です。
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